世渡り下手の人生

なんでもない日記です

お箸の持ち方が正しくなって10年


ご飯を食べている時に「お箸の持ち方綺麗だよね」とパートさんに褒められた。

もう25歳だし普通じゃないですかねーって私が言ったら
「年齢なんて関係のない事よ。現に私の娘は30近いけどちゃんと持てないもの。」と、反論が返ってきた。


思い返してみると、確かに「お箸の持ち方」を特訓した時期があった。
そうだ、あれは中学3年生の時だ。

給食を班になって食べていた時に、隣の班から「えー、のんちゃん箸持ち方変だよ!」という声が聞こえてきた。
のんちゃんは隣の班にいる女の子で割と可愛いし人気のある子だった。
のんちゃんは「これが持ちやすいんだもん~」と、自分の持ち方を披露していた。

持ち方・・・私もそれだあ!!と、遠目に見て分かった。
なんて言ったらいいのだろう、お箸とお箸がくっつく持ち方で、物を取る時はカチャカチャ音が鳴る感じの持ち方。結構いるんじゃないかな?てか経験あるよね?

ちなみに私は自分の箸の持ち方が正しくないのは知っていた。
母は何度も正しい持ち方を教えてきたけれども、直すとご飯食べづらいし、困ってないからこれでいいと思っていたのだ。
(幼少期にはエジソンのお箸も使わせたらしいが効果無)

そして隣の班から御鉢が回ってきた。
「叶えちゃんはどうやって持ってる?」と、たまたま目が合った私に聞いてきたのだ。
見栄っ張りな私は、初めて正しい箸の持ち方をして見せた。
「ほら、やっぱりこれが正しいんだよー」と隣の班で話になっていた。

そして一度見栄を張ってしまった以上、元の持ち方には戻せなかった。
私はその後、その慣れない持ち方で食事をする以外に道がなかったのだ。
家でも勿論持ち方を変えた。一刻も早く直さないと・・・ご飯はまだしも麺が出たらキツイ!!

そして特訓する事2~3ヶ月かな?ようやく元の持ち方だと取りづらいとまで言えるようになったのは。それまでは気を抜くと戻っていたから。
こうして私は正しい箸の持ち方を習得したのだった。

そうだ、あの時のんちゃん達の話をたまたま聞いてて、班の子から話を振られなかったら未だに私は正しい持ち方が出来ていなかったかもしれないのだ。
年齢が解決するものではないのだ、その年齢になるまでに解決をしたか否かなのだ。


母にも何歳の時に直したのか聞いた所。
「小6の時に隣の席の男子に馬鹿にされたから」との回答が返ってきた。
ああ、やっぱりきっかけなんだなあ。

母自身、私に正しい持ち方こそ教えたけれども、きっかけがなければ練習はしないだろうと思っていたらしい。持ち方は教えたから後はいつか自分でやるだろう、と。


のんちゃんは自分を貫く子で、結局最後まで直さなかったな。
でも彼女の存在には感謝しても感謝しきれない。

のんちゃんには、きっかけを与えてくれた事に対する感謝と、自分も正しい持ち方が出来ないのに、虚栄心から正しい持ち方を見せかけて逃れてしまった事に対する謝罪をこの場で致します。


同級生からのんちゃんの話(メイドカフェで働いているらしい)を聞いて思い出した話でした。終わり。